仙台箪笥は「指物」「漆塗り」「金具」の職人の合作によって生み出されます。
まさに3つの熟練した技が融合して創り出す工芸品です。

指物 木地が強さを支える

箪笥の基本となるのが指物です。寸分のゆがみもくるいも許さないフレーム、引きだしのスムーズな開閉。そうした実用に耐える強さや機能を備えていることが、長年の使用を可能にします。木の性質を見抜き、木取りから組み立て、仕上げまでを手がけるのは、熟練の指物師です。その細やかな技は、見えないところに存分に発揮されます。仙台箪笥の大きな特長は、前面にケヤキ材が用いられること。美しい木目が、長い愛着に応えます。

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漆塗 漆が輝きをつくる

実用の強さを持つ指物に、工芸的な美しさをつくりだすのが漆塗です。仙台箪笥では、半透明で木地の木目が透かし見える「木地呂塗り」(きじろぬり)とよばれる技法が用いられます。塗師は、木地表面の凹凸を消したあと、塗っては磨き、また塗っては磨くという根気のいる仕事を黙々とこなしていきます。この作業の繰り返しによって木地表面は漆にしっかりとおおわれて輝き、漆の下の木目の美しさはいっそう際立ったものになります。

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金具 飾り金具が華やぎを生む

漆の輝きの上に、もうひとつ豪華な味わいと表情をつくるのが飾り金具です。金具は大型で、龍や唐獅子、牡丹や菊など、さまざまな文様が打ち出されます。鉄の板にまるで命を吹き込むように、文様を打ちだしていくのが金具師の仕事です。金具は、すべて漆塗りされ仕上げられます。箪笥の大きさにもよりますが、用意される金具の数は一棹で100~200個。金具を取り付けた箪笥は豪華で、実にいきいきとした表情を持ち始めます。

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